Monday, July 07, 2008

Blow-upごっこ

Blow-up という、60年代を代表する、ものすごくおしゃれな映画がある。("Blow-up"は映画のテーマである「拡大」の意味なのに、日本語名はなぜか「欲望」、とあいまいすぎて、つまらない。やっぱり日本に映画を入れる・翻訳する会社は英語が録にわかってないのは昔も今も変わらない。)
David Hemmings が演じる売れっ子のファッションの写真家は...
... ある日、公園に入って写真を撮るが...
... 家に戻って拡大してみると、知らないうちに殺人も撮ってしまったことがわかる。
そしていろんな事件に巻き込まれるが、60年代の映画だから、はっきりした解決はなくて、なぞのままで終わってしまう。(だからこそ(だと思うが)今見ても面白いし、何回見ても新しい発見がある。まあ、美女も多いし、音楽もいいし、細かいところの遊び心も、「ストーリー」を別として楽しむところがいっぱいある。)
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その映画に使われた公園はロンドンの郊外にある、Maryon Park というところ。あまり変わっていないということを聞いて、前から好奇心があったから、このあいだロンドンにいたとき行ってみようとした。
ところが、ロンドンの中心部からは南東に(電車やバスで)1時間も離れているCharltonにはあるが、Charltonにはほかのもっと広くてもっと有名な公園もたくさんあるし、非常にマイナーなMaryon Park にかぎっては目印になる何かはなにもないし、地図にはろくにマークされていないし、現地の人さえよくわからなかったから、探すのがなかなかたいへんだった。でもバスの運転手さんも助けてくれて(なんと無線で調べてもらった!)、やっと見つけた。そしてやっぱり40年たってもほとんど変わっていないみたい。本当に妙なくらい「なにもない」公園だ。メーンの芝生は整っていたし、映画にも登場するテニスコートはそのままだったが、いい天気だったのに人は数人しかいなかった。


でも少しだけわき道に入ると、数人どころか、人の姿が完全になくなってしまう。というか、最後だれかがそこに行ったのはいつだったのだろう、と不思議に思うほど草さえカットされていなかった。(イギリス人は普通、そんなことに非常にまめなのにね。)郊外とはいえ、大都会の中にはそこまで「人がめったに訪れない」ところがそんなにないだろう。ここなら死体が茂みの中に落ちても、しばらくは見つからないかもしれないね。
ほかの死体っぽいものは一応見当たらなかったから、自分で「死体ごっこ」をするしかなかった。さて、これらの写真のどこにいるのだろう?

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"I thought you were supposed to be in Paris."
"I AM in Paris."

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