Tuesday, August 21, 2007

Dengue Fever @ Bangkok Int'l Film Festival

「気持ち悪い」写真をブログのトップにおいてしまうと文句言われるから、代わりにこのかわいい豚たちにしましょう。実は、この前バンコクの空港で買ったクッキーなのだ!完全に見た目で選んだから、味はある意味でどうでもよかったが、案外おいしかった。ブタマンなどじゃなくて、「アップルパイ味」だそうだが、それはよくわからないが、とにかくあいまいなフルーツ味で、結構いける。ちなみに耳はアーモンドのスライスで、ミミガーじゃない。

バンコクといえば、今年もバンコク国際映画祭へ行ってきた。去年は豪華なオープニングに入ってしまって、ミス・タイランドに会ったりしたが、今年はオープニングの次の日に到着したからいけなかった。しょうがないね。でも今回狙っていたのは僕が好きなバンドの Dengue Fever についてのドキュメンタリー、Sleepwalking Through the Mekong だった。(アメリカのバンドだが、60年代のカンボジアのポップスのカバー曲ばかりをやっている、もちろんクメール語で。すごくかっこいいよ!バンドのリンクのところにその映画の予告編を見ることができる)。
ところが!映画祭はバンコクの一番新しい最先端のドでかいシネコンでやっていたが、この映画はどうもDVDからの再生だった。しかもなんと約20%遅いスピードで!元々すごく高い声で歌っているNimolちゃんはいきなりアルトに、バンドの男たちはみんなとても低~い声になってしまった。僕はすぐ気がついて飛べだしたが、ドでかいシネコンだからこそプロジェクショニストなんかいないし、係員の姿もまったく見れなかったので、結局映画はそのまま最後まで上映された。やっぱり変だよ。
まあ、この映画に関してはDVDにでたら買おうと思っているからそのうちまた見れるだろうけど、映画祭で変だったのはそれだけじゃなかった。プログラムにはアジア映画がいっぱいあったことはいいことだが、中国などの映画には英語の字幕は付いても、タイ語の字幕がはなぜかあまりなかった。タイでの映画祭なのにね!英語の字幕はもちろん外国の客さんにとってありがたいが、外国の客さんは僕を含めて数人しか見当たらなかった。でもタイ語の字幕がなかったせいでタイ人の客さんも少なかくて、空席のほうが多かった。結局いったいだれのための映画祭なのだろう。本当に不思議だった。

Friday, August 17, 2007

Spider vs. Spider

暑くなって、また変な生き物が家に現れる時期になってしまった。昨日はキッチンの壁にでかい蜘蛛が2匹もいた。しかもつながっていた!なにをやっていたのだろう。交尾?それとも共食い?それともその両方を同時に?(虫の性生活はかなりやばい。)途中で「体位」を変えたり、からだを重ねて16本の足のダブル・スパイダーににもなったりしたし。

なんとなく、あの petite mort どころじゃない交尾のほうだった気がする。というのは、今朝はエッセンスが抜かれた片方(雄?)の死体だけがぶらさがっていた...

Thursday, August 02, 2007

Münster

ミュンスターはカッセルから電車で3時間ぐらい。そこに、今、10年ごとに行われる彫刻際の skulptur projekte münster 07 が実施中。ここもキューレーターたちはなにをやっているのかよくわからないけど、こんどはカッセルの逆の意味で、つまりキューレーターの存在感がまったくない、といった感じだ。作品の共通点もなにもなければ、全体のまとまりもない。ただ好きなアーティストを適当に招待しただけかもしれない。でもそれでいいか。ミュンスターは緑がいっぱいの結構きれいな町で、自転車で走り回ってかなり遠いところまでにある作品を探すのが楽しかった(なかなか見つけにくいのもある)。多少の雨が降っても。
ミュンスターはとにかく「自転車の町」とアピールしようとしていて、駅の出口の目の前には町が経営している大きな自転車レンタル屋さんがあるぐらいだ。実際に、今回の企画をほかにまわる方法もないと思う。歩くのには完全に遠すぎるし、車でいけないところも多い。というわけで、僕が予約したのは「2泊+1日の自転車のレンタル+ランチボックス」といった最適なパッケージを提供するホテルだった。

もちろん、自転車をテーマにした作品もある。これは僕がすごく気に入っている、2005年のヴェネチアのビエンナーレの一番大きな発見の Guy Ben-Ner の作品。いつもの彼のものと同じように本人と彼の子供たちが出ていて、「自転車泥棒ごっこ」をやって自転車の部品を使った有名な美術作品(デュシャンのいすに付いた車輪とか)を美術館から「借りて」、巧みに一台の自転車を組み立てて、ミュンスターを走り回る、といった内容のビデオだ。しかも、ビデオモニターは自転車に付いているので、見るためには自分で安定したスピードで10分間ぐらいこがなきゃいけない。(こぎ方によって早回しや逆回しもできる!)それが楽しくて1回以上見てしまった。面白い発送だし、本人はなかなかいい人に見えるし、天才的な日曜大工だし、これはやっぱり今年のミュンスターの目玉だ、と僕以外にも思っている人にたくさん会った。
Guy Ben-Ner with kids, about to add the finishing touch to their "art bike"
Bike with video monitor, installed in the Tax Office.
You have to pedal to watch!

もう一つの気に入った作品は Susan Philipz's サウンド・インスタレーション。大きな公園の中の人口湖を渡る橋の下の両側から Offenbach のデュエットを歌って、毛が立つほどきれいだったが、音だけだから写真がないし、録音が風邪の雑音のせいで失敗したが、しょうがないね。(Philipzさんといえば、3月ごろ、日本での初の個展のために来日したとき会ったんだけど、初めての日本で「是非、地震を体験したい!」とウキウキワクワクだった。実現したのかな。)


Mike Kelley の Petting Zoo も面白かった。間中に立つのは塩でできた「ロトの妻」の像。(聖書の話にはソドムが破壊されるとき、神様の命令に逆らって振り向いてしまったから塩に変わった、という。また、この像は実は僕が去年行ったポーランドの塩の鉱山の職人たちが掘ったものだ。)三つのビデオモニターにその「ロトの妻」という名前が付いている世界中の岩などが写っていている。そしてそのあいだに歩き回っているのは塩を舐めるのが好きな動物のロバや山羊だ。いわゆる「ふれあいの動物園」だから子供連れの家族には人気だった(Mike Kelleyさんの作品は普通あまり「家族向き」じゃないよね?)が、雨だったから周りは泥っぽくて、糞くさかったから僕はちょっと... (動物とのふれあいは猫で十分。)

Mike Kelley's "Petting Zoo", featuring Lot's wife in Polish salt

ミュンスターの彫刻祭りの一つの特徴は、昔(10年前、20年前、30年前)の作品の一部は町の宝物として残っていて、今でも見れるのだ。たとえば1997年のHuang Yong Ping のこれ(間中はデュチャンのボトルドライアーだよね?):
や Thomas Schütte の1987年の Kirschsäule:
これは展覧会の作品じゃないけど、すごいなと思った。なんと「虫のホテル」だそうだ!
Insect Hotel (not part of the actual show)