Wednesday, February 22, 2006

Bangkok International Film Festival

今週、バンコクでは国際映画祭が開催されている。金曜日はそこにいたので、オープニングへ行こうと思っていたが、映画祭のホームページの切符情報は全然アップデートされなかったし、会場の出来立てほやほやの超大型(しかもエアコンの効きすぎで超寒い)ショッピング・モールのパラゴンのシネコンの切符売り場に午後着くと、そこも非常に混乱していたが、そうもオープニングは一般客のためじゃなくて、招待客のみのためだ、ということだった。でもオープニング作品のタイを代表する Pen-Ek Ratanaruang の新作、"Invisible Waves" を見たかったし、せっかくバンコクにいたから、じゃあ、それなら裏技を使って、「マスコミ関係者」になるしかないね。(出版社の名詞は結構便利なときがある。)

Stage presentation for "Invisible Waves".
Christopher Doyle, Asano Tadanobu, Pen-ek Ratanaruang, etc.

夜7時、再び会場に着くと、本当に Gala Opening の名前の通り超豪華だった。びっくりした。映画の関係者はもちろんそれなりいたが、でもそれ以外にもタイの有名人オンパレードだったらしい。僕がよくわからない人ばかりなんだけど、歌手やスポーツ選手や女優やモデルに、スポンサーだったいくつかものお酒の会社のキャンペーンガール。日本だったら叶姉妹が絶対登場するようなところ。とにかく美人が多かった。

Swedish Miss Thailand (right) with model friend

中でも、すくなくとも185センチのある女の子が結構目立っていた。「僕のサイズだ!」と思って話しかけてみたら、なんとスウェーデン育ちのスウェーデン人のハーフだ!しかもアーチェリーのスウェーデンの元オリンピック代表、のちミス・タイランドというすごい経歴の持ち主だ。
Fabulous Lemongrass Martinis

お酒も面白かった。たとえばレモングラスのマーティーニはひらめきだった。

8時半ころ、1時間遅れてやっと映画の上映の時間が回ってきた。人があまりにも多かったから、三つのスクリーンも使っていた。
しかし。残念ながら、いまひとつだったのだ。監督は以前 "6ixtynin9" など、僕の気に入りの映画を撮ったが、前作の「地球での最後の二人」はあまり僕の趣味じゃなかった。今回も主人公を演じるのは浅野忠信さんだが、それが問題かもしれない。浅野さんは確かにいい俳優だし、ものすごく格好いいが、彼が主役の映画で本当にいい映画をいまだに見たことがない。むしろ黄色信号だ。また映像は Christopher Doyle というものすごく格好いいカメラマンだが、それもまた問題の一部だ。つまり、ものすごく格好いい俳優がいて、世界一格好いいカメラマンがいるから、まともな脚本なんかを用意することをまったく忘れてしまうらしい。そんな映画はこの数年うんざりするほど見てきた。「格好いい映画」を作ろうとしているあまり、「いい映画」どころか、結局「どうでもいい映画」になってしまう。ストーリーは薄っぺらで、おかしなギャグはいろいろあっても、ちょっと退屈になってしまうし、Christopher Doyle の酔っぱらったカメレアングルは確かに面白いが、全編をまるで飲み干したワインボトルを通して撮影したような青緑のカラートーンの意味も魅力もわからない。やっぱり物足りないな。

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