新しいカメラには1GB ものメモリーカードを買っておいてよかったが、メモリがなくなる心配がなかったから写真を撮りまくっていて、1週間で600枚以上を撮ってしまって、まだぜんぜん整理していない。というわけで、この旅の話を順番にするつもりもない。
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ラオスの魅力といえば、きれいなところがいっぱいあるのに、まだ素朴で、観光客が少ない、というはずだったが、観光客がまだ隣の国のタイ、カンボジア、ヴェトナムにはぜんぜん比べ物にならないほど少ないといっても、毎年倍増しているらしくて、目玉の Luang Prabang は実はバックパッカーにも金持ち名中高年の観光客にもあふれていて、まだかわいい町だがもう「素朴」とはあまりいえないな。
そんな Luang Prabang での4泊のあと、300キロ離れた Phonsavan というもっと「マイナーな」町へ行くつもりで、5人乗りの楽なミニバスの切符を買った。ところが、出発の前の晩、一緒に乗るはずだった人が病気になってドタキャンしてしまったせいで、そのミニバスもキャンセルになってしまった。困ったな。どたばたに普通の(8時間以上かかる、エアコンなしの、席が固い)バスの切符を閉店間際に探さなきゃいけないことになったし、次の朝の6時に起きなきゃいけないことにもなってしまった。(ちなみに、ラオス人はとても早く寝てしまう(夜10時はもうだいたい暗くて静かだ)が、その分早起きすると思ったら、どうもそうでもないみたい。朝6時はまだ暗くて、ほとんどのレストランは朝食のメニューを外に出していたのにどれもまだ開いていなかった。)
バスステーションに着いたら、こんなバスだった(きつい乗り物、その1)。ラオ人とバックパッカーの半分ずつで満席だった。8時間以上、一番ゆれる、一番後ろの席に斜めに座るのは決して楽じゃなかったけど、山を通る道の周りの景色はすばらしかったし、近くの席のオーストリア人、イギリス人、シンガポール人などと話して、まあまあ楽しかった。
途中で、こんなガソリンスタンドにも止まった。ポンプは手回し式。
Gasoline stand about halfway
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Phonsavan に行く観光客はすくなく、2月のハイ・シーズンでも20~30人ぐらいしかいなかったと思う。日によって、2~3人しか来ない日もある、といわれた。まぁ、町そのものには見るものは何もないからね。
夕方に着いたから、あまりぶらぶらする暇がなかった(暗くなったら、本当に真っ暗だ)が、裏道に入ったら、そこには面白いマーケットがあった。採りたての青梗菜、白菜、唐辛子、きのこ、ハーブ、果物や野菜のあいだに、なんと「採りたて」のハクビシンも置いてあった。(数年前、SARSの原因にされたこともあったよね。でも現地の人々はたぶんそんなことをあまり気にしないだろう。)
後で聞いたが、別のもっと大きいマーケットもあるらしくて、そこでは犬やもっと変わった(食用の)動物も売っているらしいが、残念ながらそこへいく時間がなかった。夕食を食べたレストランのメニューにも特に変わったものがなかったから、一応聞いて見たが Phonsavan では猫を食べないといわれた。ハクビシンの料理もなぞのままだ。犬は高級料理としてどこかにあったみたいだが、その場所もわからない。
となりの女の子は小さな生きているカエルを売っていた。1㌔ぐらいを適当にヴィニール袋に入れて図ったら、客さんがあと数匹をバケツから拾って足した。(残念ながら、その写真は失敗だ。)
次の朝、またそこを通ったら、こんなすてきなポップコーンのおねーさんも現れた。
さて、Phonsavan へ行く理由はその近くにある Plain of Jars (「壷ヶ原」?)なのだ。野原に数トンのでかい石の壷が数百個立ったり、横たわったり、半分埋められたりする。壊れたものが多いが、完全なものもある。誰が、いつ、何の目的で、どうやって作ったのはほとんど不明で、なぞが多い。2000年も前のものにされているが、有機の物質ではないから、正確に測るのが無理だそうだ。そしてなぞの古代文明らしく、石は遠いところの採石場から掘られて、えぐられて、わざわざこんなところに運ばれた。現在、行けるそんなサイトが三つあるが、本当はもっとあるらしい。ジャングルの中のサイトもあるが、一番の問題なのは、アメリカがいわゆるヴェトナム戦争で(東南アジアではそれをもっと正しく「アメリカ戦争」と呼んでいる)相変わらずの自分の都合で、秘密にラオスにもものすごい量の空爆を落とした。実際に、第2世界大戦のすべての空爆と同じ量を建前では戦争の相手でさえないこの国に落としたわけ。そしてその空爆は特にこの地域に集中していた。見てみると景色は本当に爆弾のあとの穴だらけだ。壷そのものには不思議なほど被害が少なかったらしいが、その周りには不発弾がいまだにたくさん残っているので、いけないサイトもあるし、そのせいもあって壷の研究もあまり進んでいない。
一番大きいのは6トンもある。
途中で、「ウイスキー」を作る村にも訪ねた。英語で whisky と呼ばれているが、もち米の焼酎なのだ。米を数日発酵させてから、10分ぐらい蒸留して出来上がり。「熟す」どころか、客さんが用意した適当なボトル(水のボトルでもガソリンのボトルでも)に直接入れて売る。1リトルで70円ぐらい。かなりやばそうに聞こえるが、味は決して悪くなかった。
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最後に、今回の旅行で撮った写真の中でたぶん一番の気に入りの一枚だ。Phonsavan (= Xieng Khuang) の空港だ。自慢してもすみませんが、クリックして大きく見てくださいね。
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