Monday, July 21, 2008

パリ、シャツと食事

パリに行ったのは、もちろんマスタードが本来の目的じゃなかった。いつものアートを別として、シャツと食事だった。シャツに関しては、僕を見たことのある読者がわかると思うが、日本にはほとんど服が買えない。特に腕が長いからシャツや上着がほぼ不可能だ。しかし、残念ながらその問題は日本だけじゃない。スウェーデンとかにはサイズはたまにあるが、面白いものやおしゃれなものはあまりない。(そもそも、スウェーデンは日本人のイメージと違って、あまりおしゃれしない国だから。)特に今年は非常に地味で、白、黒、青のワンカラーのシャツしかなくて、柄物がまったく見かけなかった。つまらないな。
でもパリにはあった!少なくともシャツは。(ジャケットも探したが、どうも僕のサイズのジャケットはファッションの都のはずのパリには1着もないみたい。僕の体形のフランス人がいないのか。やっぱりいないかも。後で、すごくいいジャケットをロンドンで見つけたが、それは別のとき紹介する。)
日本やスウェーデンの紳士服売り場に地味なものしかなければ、パリの男たちは派手な柄物や真っ赤やドピンクを好んで着るみたい。(下着もそんな感じ。)よかったね、僕にとって。
気に入りのフランスのブランドのNodusは日本に僕のサイズを輸入するのをやめた(うらぎりものだ!)から、パリに探すしかないと前から決めていたが、意外と難しかった。店舗は何件もあるが、いつ通り過ぎても「昼休み中」とか「すぐ戻ってきます」のようなメモが窓に貼ってあって閉まっていた。実はNodusだけじゃなくて、パリのお店の時間感覚は一般的にかなりアバウトみたい。そしてやっと開いているところを見つけたら今回のコレクションはちょっと微妙だったな。友達がよく僕をからかって、僕の趣味のシャツは「シャツ」じゃなくて「男性ブラウス」だといっている。まあ、そうかもしれないが、だからといって本格的な女装まではしたくない。決して安くないということもあって、結局、比較的に素直な1枚しか買わなかった(写真の1番右)。
でも夜ぶらぶらしているとき、偶然に閉まっているお店の窓にもう一つのすごいブランドを見つけた!「やわらかいコットン」の意味の Coton Doux。ホテルに戻ってから早速ロビーのパソコンでそのブランドの売店を探して、メモして、そして次の日行ってみた。やっぱり大当たり!男性ブラウスオンパレードだった。ほしいのがいっぱいあって選ぶのがたいへんだったが、結局写真の左からの3つを買った。扇風機のやつ、ちょっとかわいい緑色の水玉のやつ、そしてこの前にも紹介したスクーターのやつ。エレキギターのは残念ながら僕のサイズがもうなかったが、代わりにエレキギターのパンツを買った。
ただ、日本に戻ってきてからは長袖のシャツを着るのにとても暑すぎて、まだ一度も着ていない。やっぱり10月ごろまで待たなきゃ。
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おしゃれとともに、パリ人は食事もとても大事にしている。入ってみたいレストランは山のようにあったが、最初の夜はいきなり昔のままのインテリアで有名な、パリを代表するブラッセリの Bofinger へ。すべてのガイドブックに進められているから当然観光客が多いが、パリ人もたくさんいたから安心した。そしてやっぱり伝統を裏切らないでうまかった。
Foie gras with champagne jelly and a glass of excellent Gewürtztraminer
オードブルには(好物の)フォアグラにチャンパンのゼリー。
ウェイターのお勧めのゲヴュルツトラミネルもぴったり。
Duck breast grilled to perfection, served with porcini-stuffed mashed potatoes
メインの鴨肉の焼き加減は絶妙。さすがだね。でも一番うまかったのは、なんと写真の後ろのほうにあるマッシュポテトだった!口に入れるまでにはわからなかったが、実はポルチーニがいっぱい入っていて、涙が出るほどおいしかった。簡単そうだけど、今まで聞いたことのないアイディアで本当にすばらしい発想だ。
ヨーロッパだからそれぞれの一品の料は半端じゃなかったが、当然デザートも食べた(アプリコットのフラン、しかも一人分として出たものは日本なら4人分になっただろう)が、満腹のせいかなぜか写真を撮るのを忘れてしまった...
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Bofinger もよかったが、今回の旅で一番気に入ったレストランは今、パリでもっとも注目されている(らしい)地区の一つ、Canal Saint Martin のすぐ近くのところ。僕はいつも町をぶらぶらするとき、おなかがすいていなくても、さっき食べたばかりのときでも、通り過ぎるレストランのメニューをチェックしたりするくせがある。面白そうなもの、食べたことのない食材や組み合わせがあれば、「またここに来よう」と頭の中にメモしておく。ここはまさにそういうところだった。おまけにその名前は "Et dans mon coeur il y a..." (「そして私の心の中には...」!一日目見て、二日目食べに行ったが、やっぱり当たりだった!
インテリアもよさそうだったが、夏だから結局外のテーブルにした。同じように、印刷されたメニューにはおいしそうなものもいっぱい載っていたが、結局黒板に書いたその日のメニューにした。正解だった。
まず、オードブルはハドック(白身魚)と青林檎のタルタル。組み合わせは新鮮だが、味はだいたい予想通りの「白身魚と青林檎」の感じ。お皿はどうもフランスでも日本の四角いお皿がおしゃれとされている。
Tartar of haddock and Granny Smith
メーンは僕が最近はまっているホホ肉。今回は豚のホホ肉のハチミツとローズマリーの煮込み。それと一緒に出たのはサフラン風味のポレンタ、とまた珍しい。それぞれの(小さい)鍋ででてきたが、なぜか食べるお皿がなくて、直接鍋から食べるはずだ、とちょっと変わっていた。まあ、僕はそういうことに抵抗ないけど。とにかくうまかった!ホホ肉はかなり甘かったが、ポレンタに合わせるとちょうどよかった。ポレンタは普通、あまりおいしくないと思うが、サフランが入ったことによって別世界のものになった。両鍋をきれいに空っぽにした。
Pork cheeks with honey and rosemary, served with saffron polenta
デザートの演出もまたおしゃれだった。パッションフルーツのゼリーにパッションフルーツのムース、そして一番上にはパッションフルーツの殻から炎が上がるラム酒。(その最後は味的にちょっと余計だったかもしれないけど。)
Passion fruit jelly and mousse...
しかも、「台」はラヴァーランプのようなもので、色が赤→緑→青に変わったりした。なかなかやるね。
... on a lava lamp coaster

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