でもそんなことを言いながら、今年の一番の気に入りの作品はまさに「非常によく出来た、かわいい工芸品」のようなこの蛾だ。4月のArt Fair Tokyo の MA2 Gallery のブースにあった樋口明宏さんの作品で、本物の蛾の翅に描かれているんだよ!
これも最高!本当に「アート」や「インスタレーション」のつもりだったかどうかわからないが、もしなくても、僕がここでアートとして紹介することによって立派なパブリックアートになった。
2月の樋口佳絵展もよかったし...
... 4月の Art Fair と同時開催の 101 の eitoeiko のところの相川勝のこの「レコード屋さん」も大笑いするほどばかげていて面白かった。よく見ると、「本物」のCDじゃなくて、全部がアーティストの手書きのコピーで、しかも中には音痴のそのアーティストが自ら歌っているそれぞれのCDのカバーヴァージョンが入っている。
6月はTokyo Wonder Site の青山レジデンスのオープンデーでみたカンボジアの若手の2人の作品:
スウェーデンのお城の公園の池に沈も家のインスタレーション
Nosebleed at the French Embassy
Exotic Creatures of the Deep
は Sparks の一番新しいアルバムで、その Sparks は4月のライブも見に行ったが、4月にはほかの変な生き物も上陸してきた。
まず、のちかなりの話題になった横浜に来たLa Machine の巨大蜘蛛。蜘蛛そのものも迫力満点だったが、最初に現れた時のパフォーマンスの生演奏の音楽がとてもよかった。
Theo Jansen の「生き物たち」も印象的だった。電気を一切使わずに、空力だけで動いている。
そして同じ日に見た、Tomio Koyama Gallery での Gelitin というオーストリアの団体のオープニングは今年のハイライトのひとつだった。
あとはVeneziaの話だね。
今年もヴェネツィアのビエンナーレへ行ってきたが、いまいちだった。別に「ひどい」というわけじゃないけど、なまぬるけて、「まあまあいい作品」や「どうでもいい作品」ばかりで、印象に残る作品が少なかった。
そしてまたも、ビデオの作品のほうが一番良かった。(僕はビデオアートがあまり好きじゃないといつも言っているくせに。)
ウルグアイのパビリオンの Pablo Uribe のシュールな動物の鳴き声のビデオとか...
Natalie Djurberg のインスタレーションとビデオとか...
この影の作品とか...
去年の横浜トリエンナーレにも参加していた Ulla Brandenburg の不思議な歌のビデオとか...
そしてとくに、Bestué / Vives という組のダダ派のビデオ。30分ずっと笑いっぱなしだった。
国のパビリオンのなかではサウジ・アラビアのほうがちょっと気に行っていた。サウジでアートを作るのが難しそうだからよく頑張ったな、ということもあったし、入口でナツメヤシのお菓子を配っていたこともあるね。
でもビエンナーレそのものよりも関連イベントのほうがずっとおもしろかった。とくに Palazzo Fortuny で行われた Infinitum という展覧会は一番良かったが、建物の中は薄暗くて、残念ながら写真向きじゃなかった。
東京にもある Berengo Collection がキューレーションした、ガラス関係の展覧会の Glass Stress もとてもよかった。
食器はレーザーで「テーブル」から切られている。
そしてアルセナーレの向こう、ボートで行くところにあった Unconditional Love も面白かった。
その間中には360度のビデオの作品の丸い部屋があった。CMのような、ポスト植民地主義理論のような映像だったが、スケールが大きくて、印象的だった。
まあ、そんな感じだった。なにかを忘れているだろうが、しょうがない。
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