I live in a big house / 豚小屋に住む ピーター・グリーナウェイ監督の1989年の「コックと泥棒、その妻と愛人」が新しかったころ映画館で見たとき、以上のとんでもない誤訳に呆気に撮られ た。仮に翻訳の原稿にタイプミスがあったとしても、筋がぜんぜん通っていない(彼が金持ちのことを威張っている場面だ)し、そもそも英語では豚小屋のこと を"pig house" と言いません。日本での映画の字幕がどんなにヘタクソなのかの典型的な例だ。
先日その映画のDVDをセールで見つけて、今日久しぶりに見直した。そして信じられないことに、16年たってもあの誤訳はやっぱり直っていない!「豚小 屋」のままだ!吹き替えのほうではちゃんと「でかい家に住んでいる」になっているのに。日本の翻訳の水準の低さだけじゃなくて、翻訳に対する無関心に物 語っているんだ。
(映画そのものは別に時間によってよくなったわけでもない。ほかのグリーナウェイ映画と同じように、映像や音楽はすばらしい(特にセットやコスチュームは マンネリストの絵の展覧会みたいだ)が、ストーリーはくだらないし、ダイアログも下品だけでぜんぜんおもしろくない。もったいないよね。)
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