Tuesday, February 12, 2008

New York


2週間前、ニューヨークへ行ってきた。「超寒いよ!」と行く前に言われたが、確かに昼間はプラスになるのがやっとのところで、夜はマイナス7度などとかなり冷えていたけど、平気だよ、僕は。ずっと天気がよくて、雪が降ったのは以外にも出発の朝の横浜だけだった。
ニューヨークは初めてだったから、驚いたことがいろいろあった。たとえばマンハッタンが非常にコンパクトで、どこへでも歩ける、ということだった。(実際にマイナス7度でもずっと歩き回っていて、初めて地下鉄やタクシーに乗ったのは4日目だった。)それぞれの有名な地区の Chelsea とかSoHo とかは東京の渋谷や新宿に比べ物にならないぐらい小さくて、むしろその「丁目」に当たる大きさだ。
そして町全体が結構寂れていて、汚くて、うるさかったが、夜になるとライトアップされた摩天楼はやっぱりきれいだった。
アートを見るのが主な目的だったので、現代美術のギャラリーが多いことは知っているつもりだったが、その数を桁外れに甘く見ていたことがわかってしまった。実際に、シェルシーだけに300軒以上あるし、これからも増える一方の感じがした。しかも、みんな広い!東京の全ての現代美術系のギャラリーがその1軒や2軒に入りそうなぐらい。頭がおかしくなるまで(2日間かけて)一通り回ったが、結局あまりにも見すぎて、「すごい」と思ったものは少なかった。やっぱりアメリカならではのでかくて派手な作品が多いな、という感じだ。
なかでも印象に残っているのは James Cohan Gallery で行われた MASK 展。30人の現代アーティストの「マスク」をテーマにした作品と3000年間の世界中のあらゆる民族の仮面のミックスで、不思議なものが多かった。以下の写真の手前のは19世紀の消防士の皮のフードだ。被るだけで相当な勇気が必要な気がする。また斜め裏にあるのはカメルーンの「像の仮面」だって。
19th century firefighter's mask

最近オープンしたばかりの話題の New Museum へも行った。そとからは大きくて派手に見えるが、なかはそうでもなかった。雰囲気的には東京のワタリウムにちょっと似ているとでもいえるのかな。その地下にBeatbox Drift というすごいパフォーマンスを見た!Adam Matta という人は口でビートボックスをやりながら手でテレミンを引いて、たまにはうしろにあるテープ付きのデュシャンっぽい自転車の車輪を回して、「スカラッチ」もしたりした。(名づけて Duchampler かな?)いくつかの曲にはほかの楽器を演奏ゲストも登場したが、一人のほうが面白くてかっこよかった。本当に呆気に取られるほどうまかった。


Adam Matta at the New Museum - jawdroppingly brilliant

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ちょっとがっかりしたのは食事だけだった。アメリカはだいたいまずいというのはいうまでもないが、なんとなくニューヨークは違うんじゃないかと期待していたけど、やっぱり今一だった。レストランは多いからある程度まともそうなところを選べば別に「まずい」わけじゃなくても、とても「繊細」とはいえないよね。いわゆる「いいところ」へも行ったが、たいしたことじゃなかった。流行っていて、ものすごく込んでいたが、あんな味付けの大雑把さでは東京なら2週間でつぶれるよ。そして普通のところは案の序、「質」より「量」だね。(以下のブルーチーズバーガーは決して悪くなかったけど、haute cuisine でもないよね。)


Somehow I doubt that...

でも料理がイマイチならカクテールは逆に科学(化学?)になっているところもある。長年のネット上の友人に会って、とてもおしゃれな Pegu Club に案内してくれた。そこのカクテールは非常に細かく計算されて、丁寧にできていて、上品だった。それともそれはバーテンダーさんは日本人だからかな?

Cocktails with long-time fellow exotica listee Jack Fetterman at the ultra-chic Pegu Club

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