Thursday, November 15, 2007

この一年間かかわった本

これをずっと前から書くつもりだったが、僕が「最近」かかわった2冊の本の紹介だ。
Here are some books that I've been involved with during the past year, and that I should have written about already long ago...


まず、これ。ちょうど一年前(!)のグラフィックデザイナーの松田行正がかなり遊んで作ったマルセル・デューシャンについての本、「アンフラマンス/梱包されたデュシャン」。デューシャンといえば箱なので、松田さんがいくつものデューシャンの作品をトレースして、そしてそれを本から取り出して「箱」に折ることができる、というすごい発想の本だ。しかも表も裏もあるし、本のままの形としても1冊を残したいから、3冊も買うべし!また、今年のヴェネチアのビエンナーレの日本パビリオンのキュレーターにも勤めた港千尋さんによるデザイナーとしてのデューシャンについてのエッセイも入っている。デューシャンほど徹底的に研究されたアーティストがあまりないので、デューシャンについて何か新しいことを言うのは難しいが、港さんはそれなりにがんばったと思う。そしてそのエッセイは僕が英語に訳したので、バイリンガルなわけです。ここにもちょっと情報がある。

The first book was published almost exactly a year ago, "Inframince: Duchamp Boxed" by the graphic designer Yukimasa Matsuda. When you think of Duchamp, one of the first things that spring to mind are his boxes, so Matsuda had the rather fabulous idea of turning a number of Duchamp's works into little cubes! They are already punched out in the book, so all you have to do is take them out and fold them up. And since they are printed on both sides, you'll really ought to buy three copies of the book: one for the A-sides and one for the B-sides, and then a third copy to keep as an actual book.
The book also contains an essay about Duchamp as a designer by Chihiro Minato, who among many other things also was the curator for the Japanese pavilion at this years biennale in Venice. Few artists have been so thoroughly investigated as Duchamp, so it's quite hard to find anything new to say about him, but Minato-san does a good job, I think. And as this essay was translated into English by me (which is were I came in), the book is bilingual, even.

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もう一つの本は工作舎のカメラマンだった岡田正人が30年も撮り続けた、世界的に有名なダンサーの田中泯の豪華な写真集、「田中泯 海やまのあひだ」。山や森や雪のなかで踊る泯さんのカラーの写真もいいけど、僕にとってはやっぱり、昔、東京のゴミ置き場だった夢の島の生ゴミの中で踊る、強烈なモノクロの写真のほうは一番インパクトが強いと思う。(写真の一部は工作者のホームページで見れるよ。)
この本にも泯さん本人を始め、松岡正剛、宇野邦一、木幡和江などによるエッセイが入っていて、(主に)僕の翻訳によってバイリンガルになっている。
ちなみに、この写真は今、ニューヨークのP.S.1に展示されていて、今週末は泯さんがそこで踊る予定だ。もしたまたまニューヨークにいる人がこれを読んだら、是非見に行ってください。

The second book, Min Tanaka - Between Mountain and Sea, is a lavish volume of photographs of the world-famous Butoh dancer, Min Tanaka, taken by Kousakusha's (late) cameraman, Masato Okada, over a period of 30 years. The color shots of Min dancing among mountains, forests and the snow are fine, but to me, the most striking ones are the black and white shots taken among the garbage at Tokyo's old garbage dump, Yume no shima (which literally means "Dream Island"), where the lethal danger is quite apparent. Will he sink into the trash like quicksand, or will the flies get him first? Or so it seems. (There are some images and information here.) 
The book also contains a number of essays by Min Tanaka himself, Seigo Matsuoka, Kuniichi Uno, Kazue Kobata and others, mostly translated by me, so this is also a fully bilingual volume.
An exhibition of these photographs is currently shown at P.S.1 in New York, and Min will be dancing there this weekend. So if you happen to be in New York...

Posing Animals

この間の靴展の近くにこんな犬も見た。かわいくておしゃれだから、止まって写真を撮る人がいっぱいいたが、犬がこんなポーズをとるのはやっぱり飼い主がそうさせたからだ。しかし、鎌倉で見たこの鳩たちはもっと不思議。
なぜかほとんど縦の壁にしがみついていて、まるで蜘蛛や寝ている魚みたい(そう、ダイビングをやったことのない人はわからないかもしれないけど、夜を潜る とよくこんなふうに寝る魚を見かける。でも鳩にもどりましょう。)どうやってそこまで重力を無視してしがみついているのかわからないし、壁の魅力も不明。太陽がよく当たっているから?隙間になにかのえさがある?も ちろん、はとの写真を撮る人がいっぱいいたけど、ポーズをとらせた人はいないだろう。

Thursday, November 08, 2007

Spanish shoes

土曜日は表参道ヒルズでの靴の展覧会を見に行った。そう、靴屋さんじゃなくて、イベントスペースでの靴の展覧会。「靴xクリエーション」 (reinventando el calzado) というその展覧会は(たぶん)デザイナーズ・ウイークの関連イベントなので、数日しかやらなかったけど、今、注目されているスペインの最先端の靴のデザインを紹介するためだったのだろうが、どうでもいいファッションなんかじゃなくて、遊び心あふれる彫刻展だった!いわゆる「普通」の靴の延長線のまあまあ履けそうなもの(特に女性用の)もあったが、脚はどこを入れれば不明なキュービスト系のものまであった。
以下のRoyo Communicacionというグループがデザインしたこんなスニーカー(サッカー場、牧場、お葬式(!)などのタイプもあった)は一番笑ったものだったが、残念ながらあまり使い物にならないと思う。すくなくとも足の長い(長すぎる)僕が電車などに座ったりするとよく踏まれるから、たぶん1回履いただけでもう台無しになってしまいそうだ。
でもIsidro Ferrer のこれならちょっとほしいな!僕のサイズさえあれば...