今週は、偶然かどうか、ふたつもの南米系の映画祭が東京に開催されている。
まず、金曜はそのひとつ、有楽町の国際フォーラムで開催されているブラジル映画祭2006 へ行って、O homem que copiava というなかなか面白い映画を見た。コピー機のオペレーターをやっている貧乏な若者が気に入った女の子をゲットするためにお金を作る計画をたている、とそこまではごく普通の話に聞こえるが、ストーリーの意外な展開が多くて、編集のテンポがよくて、とても新鮮だった。今年は今のところ211本の映画を見たが、これは今年のベスト5に入りそうだ。
もうひとつの映画祭は渋谷でやる Latin Beat Film Fest '06。前の2回はスペインの映画が中心だったのに対して、今回は南米の映画のほうが多いみたい。そこで昨日、ペルー映画の Madeinusa を見てきた。
ペルーのど田舎の村で、変わった祭りをやるところだ。その祭りのあいだにはキリストを十字からおろして目隠して、そのときに限って「神様は見ていないから、罪がない」、と欲望のやり放題になるわけだ。ちょうどそのとき、一人の都会の男が都合悪くやってきて、やっぱりやばいことになってしまう。ペルー版の Wicker Man とでもいえるかな。これも鮮やかな色と新鮮なイメージ(「幸せをもたらす」死んだネズミのドアップとか、処女の娘と寝ることを当然の権利と思っている市長さんとか)でとても印象的な映画だが、なぞが多い。たとえば、主人公の女の子(と映画)の名前。日本語では「マディヌサ」になっている(実際に映画の中にもそういうふうに発音される)が、そのローマ字は Made in USA (米国製)にもなる。ペルーの田舎に本当にそんな名前があるのか。でなければ、名づけた人はいったい何を考えていたのだろう。それを監督に聞きたかったが、映画祭なのに上映のあとの質問の時間がなかったのはちょっと残念だった。
そんなこともあって、今年の「スペイン語圏」映画祭は前の年に比べてちょっと地味になってしまったかもしれない。去年は会場にスペインのワインとイベリコ豚のハムなどが出たりして、とても豪華だった。今年も似たようなことをやると聞いたが、結局そんなものはなにもなかった。楽しみにしていたのに、それもちょっと残念だった。でも今回のポスターなどのキャラクターは記録的に格好いいよ:
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